THE FOREVER YOUNGというバンドに心臓を射抜かれた話。
THE FOREVER YOUNG
通称:エバヤン
僕のエバヤンの出会いは4,5年前かな。
八食サマーフリーライブの出演者を見ていたときに名前を見つけて、そこからWORLD ENDっていう曲を知った。
前身バンドのKARIBUxNOxKAIZOKU時代に作られた曲で、YouTubeにあるこの曲のPVを何回も何回も見た。
ボーカルのライブのMCから始まるこのPV、そして映し出される映像。素人の人達が自分の大切なものを書き殴ったスケッチブックが映る。この冒頭だけで一気にのめり込むのだ。
今夜夢のまた夢が溶ける頃に
その手繋ぎ絶望の街抜け出そう
強くこの手握り返してくれたら
明日なんて来なくていい
世界なんて終わればいい
泥臭くてがむしゃらに歌い演奏する彼らの姿を見てとても心が奮い立たされた。
そして歌詞の最後がこう締めくくられる。
ずっと俺はキミのモノで
ずっとキミは誰かのモノ
世界よ終われ
世界よ終われ
この繋いだ手離さないで
形ない希望
すれ違う欲望
繰り返す絶望
汚れた手振ってまた君を呼ぶから
間違いなくこれが”エモい"ってもんでしょう。
叶わないけど願い続ける。そうすれば何か変わることがあるかもしれない。そんなひとりの男の感情的な心情を綴った歌詞に胸を打たれる。
僕は精神的に辛い時に自分を励ます曲を集めた"辛いとき”というプレイリストを作っている。気持ちが沈んでいる時に聴いて勇気を出している。このWORLD ENDという曲はすぐにこのプレイリストに追加した。
1994年生まれの僕は2000年初頭の青春パンクブームに乗り遅れた世代である。
知った頃にブルーハーツがもういなく、GOING STEADYはいなく、銀杏BOYZの良さがまだわからない頃だった。ガガガや175Rなどはいたが勢いはその時のものほどではなかったのではないだろうか。
しかし、初めてGOING STEADYを聴いた時の衝動や震えた心の感覚は衝撃的で、何故この時代に生まれなかったのか後悔した。
それから僕はパンクやメロコア、メタルを聴くようになるのだが、やはり青春パンクの代等は現れなかった。
しかし僕がWORLD ENDと出会った時、この感覚に襲われた。
青春パンクが死んでないバンドがいる!
その時僕はWORLD ENDしか聞いてくて、ほかの曲あんまり冴えないなとか思ってた。
この曲と出会って数年経って、先日、京都大作戦にて初めてエバヤンのライブを見た。
行く前までWORLD END聴けたら良いなくらいの気持ちで足を運んだ。
そして始まった一曲目、素晴らしき世界。
始まると同時に汗かいて演奏する彼らとそれに呼応する観客の姿に心打たれ気付いたらモッシュでもみくちゃの観客に紛れていた。
キラキラで泥臭くてカッコいい。
ダサくて良いんだと。
4曲目、今君を迎えに行くんだ。
初めて聴いた曲なのに僕は大声で叫んでいた。歌詞も知らなかったのに叫んだ。
昔から知っていたかのように不思議と歌詞が口から漏れていた。
僕がライブやフェスに行くようになって5年くらい経つが、こんなこと初めてだった。
好きなバンドが初めて演奏する新曲でさえこんなことにならないのに。
そしてMC。
ずっと曇っていた空が晴れた。
奇跡が手に取るように感じられた。
別に晴れろとか思ってたわけじゃないけど、この空間にいる人達の思いが空を晴らしたんじゃないかって。
気持ちが1つとかそんなこと感じたことないけど、たしかにそこにいる人達の気持ちはひとつだったと思う。
拳をかかげるとWORLD ENDが始まった。
イントロのメロディですでに僕の目には涙が溢れていた。嬉しいとか悔しいとか悲しいとか、どんな気持ちだったか表現出来ないが胸がいっぱいで、ぐちゃぐちゃの声で歌っていた。いや吠えていた。
最後の曲、GO STRAIGHT
この曲の歌詞は単純で、
”がんばれ”
そう伝える曲だ。
もう完全に心を鷲掴みにされた僕は、頑張っていた。ダイバー、それを支える人、歌う人、演奏する人。みんな頑張っていた。この瞬間にここにいて本当に良かった。頑張っている人は素敵なのだ。
あっという間にライブは終わった。
こんなに胸がいっぱいでかっこよくて感動して衝撃だったライブが今までになかった。
青春パンクは死んでいない。ここにいる。
THE BLUE HEARTSの血は、
GOING STEADYの血は
ここに継がれていた。
僕にとって忘れることの出来ないライブになった。この日京都大作戦で僕の中でダントツで輝いていた。
そのあと走ってグッズを買いに行ったのは言うまでもない。
それからというものずっとエバヤンを聴いている。みんなにも聴いてほしい。若き日の感情を思い出すために。日々頑張る人に。
彼らは背中を押してくれるのではなく、きっと一緒に肩を組んで歩んでくれる。
またすぐにでも彼らのライブを見たいと強く思いました。